~本記事のテーマ~
- 新基準原付って何?いつから始まるの?
- 原付免許で125ccの原付二種が乗れるの?
- 新基準原付の車種は?
125ccバイクが、原付になるって本当か?
新基準原付を詳しく教えてくれよ。
OK!
じゃあ今回は、新基準原付を紹介するよ!
新基準原付は、125ccバイクからパワーを抑えたバイクのこと。
単純に、免許が緩和される意味合いではないから、注意しておこう!
今話題の新基準原付!
「125ccバイクが、原付免許で乗れるの!?」という期待をお持ちの方もいますが、ちょっと違う認識になるので要注意です。
新基準原付は、免許制度の緩和的措置じゃなくて、「生産者側の救済措置」になるぞ!
本記事は、新基準原付の制度や背景を詳しく紹介!
原付歴15年以上&大型二輪免許を持つバイク好きの僕が、新基準原付を徹底解説するので、ぜひ参考にしてみてください!
新基準原付とは?いつからスタート?
新基準原付とは、「原付」のエンジン排気量ルールが、50cc以下から125cc以下に変更するもの。
ただし、単に「原付ライダーが125cc以下のバイクに乗れる」わけではありません!
2024年3月現在、新基準原付に向けた検討段階ですが、これから制定されるだろうルール等を詳しく解説します!
新基準原付は125cc以下で最高出力を抑えたバイク
新基準原付とは、125cc以下のバイクで、最高出力を4.0kWに抑えたもの。
現行の50cc原付と同等の性能であり、原付ライダーが安全に乗れるバイクに設定される予定です。
原付免許(自動車免許)で、125ccの原付二種が乗れるわけじゃないんだよな・・・
新基準原付を運転できる免許は?
新基準原付は、従来どおり「普通自動車免許or原付免許」で運転できます。
「性能が50cc原付と変わらない」前提でのルール改正となるため、原付ライダーにとって、基本的に現状と変わらない感はあるでしょう。
交通ルールも、50cc原付と変わらないので注意しましょう!
▼そもそも50ccと125cc原付の違い
50cc原付 | 125cc原付 | |
---|---|---|
排気量 | ~50cc | ~125cc |
ナンバー | 白色 | ~90cc:黄色 90~125cc:ピンク |
法定速度 | 30km/h | 60km/h |
右折方法 | 二段階右折 | 小回り右折 |
乗車定員 | 1人 | 2人 |
高速道路 | 不可 | 不可 |
通行車線 | 左側車線 | ー |
免許 | 普通自動車免許 または原付免許 | 小型限定普通二輪免許 |
もし、制度改正後に勘違いして、普通自動車免許(or原付免許)で125ccバイクに乗ってしまうと、「無免許運転」に。
「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」という厳しい罰則になるので、十分注意したいところです!
新基準原付はいつから始まる?
2025年の11月から、従来の50cc原付の生産ができなくなります。
それに伴い、新基準原付の区分がスタート。
2024年3月現在は、有識者検討会の報告書(2023年12月)が上がった状態で、新基準原付導入へのルール等を調整しているところです。
新基準原付ができる理由は排ガス規制への対応!
新基準原付は、一見「原付ライダーが125ccバイクに乗る」ための改正と感じますが、目的は「排ガス規制」。
年々厳しくなる「排ガス規制」よって、原付の生産が厳しくなっているようです。
排ガス規制で50cc原付は生産が厳しい
2025年11月以降に生産される原付(50cc以下かつ設計最高速度50km/h超)は、新たな排ガス規制が適用されます。
この規制への対応には、排ガスを浄化する「触媒」が肝となりますが、マフラー内温度が低い状態では効果が発揮されない仕組み。
そのため、マフラー温度の上昇が遅い50cc原付だと、対応不可なようです。
125ccバイクなら、マフラー内の温度上昇が早く、排ガス規制にも対応可能。
そのため、125ccクラスでスピードが出ないよう制御したものを、”原付”として利用していく方針になります。
50cc原付は、もともと値段が安く売られるので、排ガス対策にかかる開発コストも見合いません。
そのため、今後の原付開発&生産が厳しくなり、日本としても原付クラスのバイク救済へ動くこととなりました。
原付のメリットは、安くて気軽に乗れるとこだよな。
販売価格が上がっちゃうと、ウマミが無くなるぜ・・・
原付ライダーにメリットもある!?
新基準原付によって、「バイク免許ナシで125ccに乗れる!」と期待した方もいるかと思いますが、ちょっとがっかりな感じはありますよね。
ただ、新基準原付でのメリットもあります!
それは、「今まで、原付二種(125cc)でしか乗れなかった車種」が、50cc原付に登場する可能性です。
従来の原付ラインナップから、125ccモデルの車種へ変わってくことが予想されます。
楽しみな面もありますね!
新基準原付となる車種!
新基準原付ができるとなると、販売される車種は気になるところ!
現在は、ルール制定の検討段階のため、まだまだ発売される車種は未定ですが、テスト走行に作られたバイクは公開されています。
新基準原付のテスト用に作られた車種は、新発売の可能性も!?
詳しく見てみましょう!
走行テストに使われた車種!
新基準原付のルール制定に向けて、警察庁では走行評価の報告が上げられています。
報告書には、走行評価で使った原付車種が掲載されていますが、つまり出力制御した125ccバイクがすでに作られているということでしょう。
車種 | バイク | 車体重量 | 最高出力 | 最大トルク |
---|---|---|---|---|
【現行50cc】 ベンリィ | 110kg | 3.2kW | 4.2N・m | |
【現行50cc】 ギア | 98kg | 3.2kW | 4.1N・m | |
【現行50cc】 タクト | 79kg | 3.3kW | 4.1N・m | |
【現行50cc】 C50 | 96kg | 2.7 | 3.8N・m | |
【新基準原付】 PCX | 132kg | 3.9kW (制御) | 7.5N・m (実績) | |
【新基準原付】 リード125 | 116kg | 4.0kW (制御) | 7.2N・m (実績) | |
【新基準原付】 Vision | 96kg | 3.9kW (制御) | 7.1N・m (実績) | |
【新基準原付】 CB125R | 130kg | 3.8kW (制御) | 8.1N・m (実績) | |
【新基準原付】 C110 | 101kg | 3.8kW (制御) | 7.0N・m (実績) | |
【現行125cc】 リード125 | 116kg | 8.3kW | 12N・m | |
【現行125cc】 CB125R | 130kg | 11kW | 12N・m | |
【現行125cc】 C110 | 101kg | 5.9kW | 8.8N・m |
新基準原付に期待される車種はコレ!
新基準原付に登場する車種は、楽しみなところ!
個人的な予想になりますが、新基準原付として発売される車種は、以下のバイクは有力でしょう。
※CB125R等のMT車は、バイク免許が必要!?
あくまで、僕の見解になりますが、125ccバイクで人気どころとなるのは、登場する可能性もあるのかなと。
生産設備が整っており、新基準原付と並行しての生産もしやすいでしょう。
新基準原付によくあるQ&A!
新基準原付によくある質問をまとめます!
新基準原付が始まると今の50cc原付に乗れなくなる?
新基準原付ができても、50cc以下の原付は乗車可能です。
あくまで、「2025年11月以降に生産される原付」に当てはまり、それ以前の原付であれば、乗り続けることができます。
将来的なバイク規制については、現状不明です。
原付免許で125ccバイクに乗れるの?
新基準原付によくあるのが、「原付免許で125ccバイクに乗れる」という間違い。
分かりにくい新制度ですが、カンタンに言うと「排気量は125ccだけど、スピードが出ないよう制御された原付」に乗れるようになります。
性能は、現状の50cc原付と同等とされるので、ライダーの感覚としては「何も変わらない」と思っておくと分かりやすいでしょう。
新基準原付は、手軽に乗れる50ccクラスの原付を残すためのルール。
バイク生産者救済の目的が大きいでしょう。
ただし、125cc原付にしかなかった車種が、パワー制御されて乗れるようになります。
ホンダ・PCXなどの人気車種が出てこれば、嬉しいライダーも多いでしょう。
新基準原付の交通ルールは?
新基準原付では、現行50cc原付の交通ルールと変わらない方針です。
最高速度30km/hや二段階右折など、原付ならではのルールは残るので、注意しましょう!
まとめ
新基準原付とは、排気量は~125ccかつ最高出力を4.0kWに抑えたバイク。
現行の50cc原付と同等の性能を持つもので、「125ccのバイクが、原付免許で乗れる」という訳ではありません。
あくまで、排ガス規制対応を目指した「バイク生産への救済」になります。
とは言っても、新基準原付の制度が始まれば、今まで原付二種でしか乗れなかったバイク車種が、”50ccクラス”として販売される可能性も。
走行評価で使われた「PCX」などの人気車種が、原付クラスに下りてくるかもしれないので、楽しみなところです!
現状、新車種の発表はありませんが、これから新基準原付のルールが決まっていくと、車種情報も少しずつ公開されていくことでしょう!